ビジネスでの判断には、定量的な評価と定性的な評価の2つがありますが、それぞれどちらを使うべきなのでしょうか? 定量的な評価は、数字に基づいた判断ですが、定性的な評価は感覚や印象、思いから判断する方法です。
定量的な評価では、売上や原価、利益率などの数字を参考にして判断しますが、判断基準が明確でない場合は、感覚で判断することになります。例えば、「この原価率は高いからダメだな」とか、「他社が売れているようだから、他社と同じ価格にしよう」とか、数字を見ていても、実は人の感覚に基づいた判断が多くなります。
定量的な判断を行うためには、あらかじめ判断基準値を用意することが必要です。例えば、製品を作る上で、作業工数時間を販売価格または利益額に対して何パーセントまでにするか、または材料となる仕入価格率は何パーセントまでにするかなど、過去の実績から数値を設定して、Excelなどで計算式に当てはめて判断することができます。
定性的な判断には、相手企業のホームページを見て、印象や雰囲気で相手企業を評価する場合があります。しかし、ここでは、定性的な判断についての方法論を考えていきます。
フィードフォワード(未来への展望)で考える 例えば、この提携先と組んだら、このように展開できて、このような成果が想定できる。といった展望を討議し、判断してみましょう。この会社の強みは○○に関する技術力で、当社のサービスと組み合わせることによって、当社のお客様に対して提供サービスの価値を上げることができるといった展望を想定し、市場や競合企業の評価を行うなど、プロセスを踏んで判断することが重要です。
定性的な材料を長所と短所(またはメリット、デメリット)に分けて整理することで、以下のようなメリットがあります。
論理的整合性が保たれる: 長所と短所を整理することで、論理的整合性が保たれます。そのため、より客観的な評価を行うことができます。
意思決定が容易になる: 定性的な材料を長所と短所に分けて整理することで、特定の選択肢の利点や欠点を簡単に比較することができます。このため、意思決定が容易になります。
議論が進む: 長所と短所を整理することで、個々の選択肢について詳細に分析することができます。これにより、より深い議論が可能になります。
ただし、以下のようなデメリットもあります。
主観的な偏りが生じる: 長所と短所を整理する際に、解釈の違いや主観的な価値観に基づく判断が生じることがあります。そのため、客観性が失われる場合があります。
情報の欠落が生じる: 定性的な材料を長所と短所に分けて整理する際に、必ずしも全ての情報が考慮されるわけではありません。このため、重要な情報が欠落する可能性があります。
以上のように、定性的な材料を長所と短所に分けて整理することには、メリットとデメリットがあります。その時のニーズに応じて適切な方法で行うことで、より客観的かつ効果的な意思決定が可能になると言えます。
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