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eラーニングコンテンツの作り方



・LMSは導入したけど学習コンテンツがない。

・Flashでできたもともとコンテンツはあったけど今は使えなくなっている。

・自前で学習コンテンツを作成したけど内容更新ができていない。


というような事情でせっかく導入したLMSの利用頻度が落ちていないでしょうか。

導入当初は良いがコンテンツ制作を継続するのはなかなか要領が入りますね。

使いやすい教材作成ツールも出回っているので自社で作成することはツールを購入すれば制作する環境はできます。



大切なのは中身


まな板と包丁だけでは料理を作ることができないように、教材作成ツールだけでは教材を作成することはできません。具材となる材料が必要です。

もともとeラーニングコンテンツを自社で作成し始めた際は、情報セキュリティに関するスライド資料など、何がしかの資料や知見もあり、自社でコンテンツ化ができると判断して、LMSの導入に踏み切っていると思います。

または、LMSのオプション等で学習コンテンツが利用できるので導入の判断をされた場合もあります。


ただ、eラーニングの教材とパワーポイントの資料では、そもそも目的が違うのでパワーポイントを変換すれば良いというものでもないです。パワーポイントはプレゼンテーションを目的とした構成になっているはずです。教材として学習する上では、そのままeラーニング形式に変換すれば学習コンテンツにはなるでしょうけど、学習することを目的とした構成になっている必要があります。



中身とは


何が書いてあるのか。という事ですが、あるテーマにそって作られた資料なので、当然、学習テーマに合致した中身を含んだ資料があります。

ただ、テーマは同じであっても何を目的とした資料なのかということで教材にできるものかの分岐点になります。

目的とは”誰に対してこのコンテンツで学習することによって、どうなって欲しいのか。”ということです。

この”誰に”というのが、文字通り、誰という対象1人でマンツーマン指導であれば相手を把握し教え方を考え易いですが、会社で、そしてeラーニングでとなったら用意したコンテンツは複数人が学習することが前提となります。

学習者が複数人いれば、例え同期入社や同じ職階であっても持っている知識や経験、志向が異なります。ですので会社から学習コンテンツをアサインする際は、学習コンテンツの前提条件を明確にして、前提条件の対象外になりそうな方が複数人いれば、その方々向けにコンテンツをある程度でもカスタマイズ出来たら学習に期待する成果が得られ易くなります。

単純に考えて自ら学習したいと思い選んだ学習内容であれば学習のモチベーションはありますが例えば全社学習の場合は、そもそもやらされ感を伴ってしまうので、なおさらコンテンツが自分の前提条件・知識と合致していなければ学習のモチベーションは上がりません。


対面での講義を考えると優れたインストラクターとは受講生をやる気にさせることができます。有名な語録に近いですが、自立した学習者を増やすためには”やり方を教える”、”やってみせる”、”やらせてみる”。というアクティビティを研修中に入れます。こうして、ひたすら知識を教えるのではなく、やる気にさせることに注力します。


一方eラーニングは、やもすると一方的に受け身で知識を吸収するだけのものとなります。なのでeラーニングはつまらない、学習効果が低いというイメージは少なからずあります。

eラーニングは出来上がったコンテンツを視聴するだけなので、この本質を理解した(受け入れた)上でeラーニングの学習施策を実施しないと、学習者の学習モチベーションが低く、学習進捗もおもわしくない結果が得られてしまいます。


それから学習内容としては、eラーニングで学習する内容は情報セキュリティ、コンプライアンス、ハラスメントなどの全社で知識習得するもの。製品・サービス知識。または新入社員向けなどのビジネスマナー、もともとある資料を改変してスキルトランスファーを試みるコンテンツなどでしょうか。

あまり楽しくなるようなものは想定出来ないです。



学習を飽きさせないコツはあるのか


本質的にはeラーニングは知識習得するものが大半となるので飽きないで学習しやすくする工夫が必要です。

飽きさせない方法を考えるより、なぜ飽きるのか。の方が考えやすいです。

手元の資料を確認してみて

 学習コンテンツが“文字だらけ”。

 一方的に解説・講義されるだけになりそう。

 内容が簡単すぎる。または内容が難しすぎる。

 よくよく見ると何を教えたいのか不明瞭だ。等にはなっていないでしょうか。



そこでeラーニングの場合は中身といった構成のみならず飽きさせず、学習しやすいコンテンツにする必要もありラーニングアクティビティの検討も行います。


コンテンツに付随させるもの(一例)

・確認(修了)テスト

・クイズ

・シミュレーション

・アンケート

・質問サポート


コンテンツ内の工夫(一例)

・スライドないのオブジェクトをアニメーション機能で動かす

・講師を動画収録してスライドに合成させ、講師が教えている動画にする

・講師が板書しながら動画として講義を収録する

・文字だけのコンテンツならナレーションを入れる

・一部だけでも動画やアニメーションを入れる


コンテンツ自体の設計の工夫(一例)

・章立てにする

・内容を詳細にする(記載で詳細にすると学習者は文字を読みこむことになるのでナレーションで詳細を話す方が良いです)



より良い作り方


いろいろな工夫が出来そうですが、コンテンツ制作にさける時間の制約もあるかと思います。本質は”誰にどうなって欲しいか”ということなので

学習者に

 この事を知って欲しい。

 これをやって欲しい。

 これを理解し対応して欲しい。

ということを念頭に置いて中身やアクティビティを作って行くことが良いです。


それから、よく学習コンテンツは短い方が学習しやすいという意見がありますが、これは鵜呑みにしない方が良いと思います。短く章立てられている。区切られている。深堀されている。ということであれば良いと思いますが、コンテンツを簡潔にしてしまうとインターネットで調べてわかる程度のものになりかねません。


学習のゴールがあり、使えそうな学習の素材となる資料を確認して、学習者が、そのコンテンツで学習したらゴールに到達できるものなのか。出来なければ何を足したり、削除したりするべきなのか。

足りない部分を補うために必要となることは。また意外と難しいのは削除することだったりしますが、削除が難しければ、例えば補足資料なり付帯コンテンツ化なりしてしまう方のが良い場合もあります。



まとめ


コンテンツ制作は時間がかかるものなので、作ろうと思ってもなかなか進捗は思わしく行かないものです。ですのでコンテンツ設計や制作の進め方について社内でコンセンサスをとり、可能な範囲で先に数ヶ月先または年間で継続的な時間を確保することも大切です。


誰にどうなって欲しいのか。をテーマおよび章の中でも意識してコンテンツを編集する。

アクティビティを仕込めるなら、アクティビティを仕込む。


そして学習者からのフィードバックで改善を重ねられるように学習者の声を聞いたり、コンテンツ自体も更新がしやすいように管理する。


ということが有効と考えます。


自己学習教材に留めず発想を広げて、学んだことをグループディスカッションする場や演習評価を設けるなどもあります。


eラーニング化する作業のことばかりに注力しないで、目的に合致させたコンテンツが作成できるようにしたいですね。



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