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eラーニングが定着しない原因とは。使われない会社に共通する3つのパターン

執筆者の写真: Adop-Context
Adop-Context
6月4日
読了時間: 10分

更新日:6 日前


eラーニングを導入したものの、社員がなかなか利用してくれない。受講を案内してもログインされず、期限が近づくたびに担当者が催促している。受講率は悪くないのに、学んだ内容が仕事へ活かされている実感がない。

このような悩みを抱える企業は少なくありません。


eラーニングが定着しないと、ツールの使いやすさや社員の学習意欲に原因を求めたくなります。しかし、実際には、配信する教材、学ぶ目的の伝え方、担当者が続けられる運用に課題がある場合も多いものです。


この記事では、eラーニングが使われない状態を三つの段階に分けたうえで、定着しない会社に共通する3つのパターンと改善方法を紹介します。



「eラーニングが使われない」には三つの段階がある


ひとことで「使われない」といっても、その状態は同じではありません。

起きていること

確認したい点

ログインされない

対象者、学ぶ目的、案内方法、受講時間が明確か

途中で離脱する

内容の長さや難しさが合っているか、自分の仕事と関係があるか

修了しても仕事が変わらない

学習目標と教材、確認問題が実際の行動につながっているか

ログインされない場合と、受講後に仕事へ活かされない場合では、見直す場所が異なります。受講率だけを見ていると、どの段階でつまずいているのか分からないまま、催促の回数だけが増えてしまうこともあります。


まずは、受講案内、開始、途中、修了、業務での実践という流れの中で、どこに課題があるのかを確認しましょう。そのうえで原因をたどると、次の3つのパターンが見えてきます。



パターン1 ツールはあるが、学びたい教材がない


eラーニングのシステムを契約し、管理画面を設定して、社員へアカウントを配る。導入準備が終わると、教育の仕組みが整ったように感じます。


ところが、実際に配信する教材が少なかったり、外部から購入した教材が自社の仕事と合っていなかったりすると、社員には利用する理由が生まれません。


一般的なビジネスマナーやコンプライアンスは学べても、「自社の商品をどう説明するか」「この問い合わせには何を確認するか」「この設備の変化をどう判断するか」といった、日々の仕事に近い内容がなければ、学習は自分ごとになりにくいからです。


この状態では、教材の本数を増やすことだけが解決策とは限りません。まず、誰が、どの仕事で困っているのかを確認し、必要性の高いテーマから教材を用意します。


たとえば、次のような知識は最初の候補になります。


  • 新入社員へ何度も同じ説明をしている業務

  • 特定の経験者へ質問が集中している業務

  • 間違えると安全、品質、顧客対応へ影響する業務

  • マニュアルはあるものの、現場で判断に迷う業務


社内にある業務マニュアル、PowerPoint、対応記録、よくある質問は、教材を作るための材料になります。ただし、資料をそのまま掲載するのではなく、学ぶ目的、具体例、問い、確認問題を加え、一人でも理解できる流れへ組み直す必要があります。


業務マニュアルを教材へ変える考え方は、「業務マニュアルが社員教育に使われない5つの理由。仕事で使える教材へ変える方法」で詳しく紹介しています。


確認したいこと


導入前や更新時に、「誰へ、どの教材を、何のために配信するか」が具体的に決まっているでしょうか。教材名の一覧だけでなく、学習後にできるようになってほしいことまで書き出せると、ツールを使う目的が明確になります。



パターン2 受講する理由が、社員へ伝わっていない


教材があり、受講率も悪くない。それでも内容が定着せず、仕事にも変化が見られないことがあります。


このパターンでは、受講が「期限までに終わらせる作業」になっている可能性があります。社員は案内された動画を再生し、確認問題へ進み、修了の記録を残します。管理画面では受講済みになっていても、学んだ内容を仕事のどこで使うのかが分からなければ、知識はその場限りになりやすいでしょう。


コンプライアンスや安全衛生のように、全員が決められた内容を受講し、記録を残すことが重要な研修もあります。ただ、その場合でも「会社の決まりだから受ける」だけでなく、どのような場面で自分や周囲を守る知識なのかが分かれば、学ぶ意味を捉えやすくなります。

受講案内や教材の冒頭では、次の内容を伝えます。


  • なぜ今、この内容を学ぶのか

  • 自分の仕事のどの場面と関係するのか

  • 学んだ後、何ができるようになればよいのか

  • 困ったときに、どの教材へ戻ればよいのか


たとえば、「顧客情報の取り扱いについて学びます」だけでは、日々の仕事とのつながりが見えにくいかもしれません。「問い合わせ内容を社内チャットへ書くとき、どの情報まで共有してよいか判断できるようになります」と伝えれば、利用する場面を想像できます。


教材の中にも、自社で起こり得る事例を入れます。規程の文章を覚える問題より、具体的な状況から適切な対応を選ぶ問題の方が、仕事とのつながりを考えやすくなります。


確認したいこと


受講者は、「この教材を学ぶと、自分の仕事の何が変わるのか」を説明できるでしょうか。説明できない場合は、社員の意欲だけでなく、学ぶ目的や仕事との関係の伝え方を見直す余地があります。



パターン3 教材制作と運用の負担が大きく、続かない


導入した直後は、担当者が教材を作り、受講案内を送り、進み具合も確認していた。それが半年、一年とたつうちに、更新が止まってしまうことがあります。


eラーニングの運用には、想像以上に多くの仕事があります。教材の材料を集め、構成を考え、画面やナレーションを作り、確認問題を登録する。公開後は対象者を設定し、案内を送り、受講状況を確認します。制度や商品が変われば、教材も直さなければなりません。


これらの仕事を一人の担当者が抱えていると、通常業務が忙しくなったときに運用が止まりやすくなります。担当者の異動によって、教材の作り方や更新方法が分からなくなる場合もあるでしょう。


大切なのは、熱心な担当者の頑張りに頼り続けないことです。最初から、誰が、どの仕事を、どれくらいの頻度で行うのかを決めておきます。

役割

主な仕事

教育担当者

教材の構成、配信、受講状況の確認

実務担当者

業務内容、事例、判断基準の提供

内容確認者

安全、品質、規程、契約などの正しさを確認

管理者

更新の優先順位と運用時間を決める

一つの教材を長い動画にまとめると、一部の情報が変わっただけでも修正に時間がかかります。内容を短い単元へ分け、変わりやすい情報と変わりにくい知識を分けておけば、必要な部分だけを更新しやすくなります。


PowerPoint形式の研修資料をeラーニングへ変える場合は、「PowerPointの研修資料をeラーニング化する方法。講師の説明を学べる教材へ変える5つのポイント」も参考になります。


確認したいこと


教材の初回制作に、どれくらいの時間がかかったでしょうか。同じ方法で新しい教材を作り、既存教材を更新し続けられるかを考えます。難しい場合は、教材の作り方、役割分担、更新単位のどこを軽くできるか見直しましょう。



受講率だけで、eラーニングの定着を判断しない


eラーニングの状況を把握するとき、受講率や修了率は分かりやすい指標です。ただし、それだけで学習が定着したかを判断することはできません。

たとえば、期限直前の催促によって修了率が上がっても、確認問題の正答率が低いままかもしれません。テストでは正解できても、実際の仕事では判断に迷い、以前と同じ質問が続くこともあります。


定着の状態は、段階を分けて確認します。


  1. 対象者へ案内が届いたか

  2. 学習を始めたか

  3. 途中で離脱せず修了したか

  4. 必要な知識や判断を確認できたか

  5. 仕事の行動や結果に変化があったか


すべての教材で、業績への影響まで測る必要はありません。新人向けの操作教材なら、独り立ちまでの期間や質問回数を確認する。顧客対応教材なら、対応の抜け漏れや上司への相談内容を見る。このように、教材の目的に近い変化を一つ選ぶと、無理なく確認できます。


受講率は入り口の指標です。そこから、理解できたか、仕事で使えたかへ少しずつ確認範囲を広げることで、どこを改善すればよいかが見えてきます。



eラーニングを定着させるために、最初に見直す3つの問い


ツールを入れ替えたり、教材を増やしたりする前に、次の三つを確認してみましょう。


問い1 誰の、どの仕事を支える教材か


対象者と仕事の場面が明確であれば、必要な内容を選びやすくなります。「全社員向け」のように対象が広い場合でも、どの場面で使う知識なのかを具体的にします。


問い2 受講者に、学ぶ理由が伝わっているか


受講案内と教材の冒頭で、仕事との関係や学習後の姿を伝えます。社員にとっての意味が分かれば、eラーニングは期限までに終わらせる作業ではなく、困ったときに戻れる学びになります。


問い3 担当者が変わっても続けられるか


教材を作る人、内容を確認する人、配信する人を分け、更新のきっかけも記録します。一人ですべてを抱えず、役割と手順を共有できる状態にしておきましょう。



AIは教材制作の負担を減らせるが、運用の目的は決められない


生成AIは、社内資料から重要な情報を整理し、学習目標、教材構成、説明文、ナレーション、確認問題の原案を作る作業に活用できます。制作の最初に白紙から考える負担を減らし、更新箇所を整理する際にも役立ちます。


一方で、誰に何を学んでもらうのか、どの内容を正式なものとして採用するのかは、会社側で決める必要があります。資料に書かれていない例外対応や、現場で使われている判断基準も、AIだけでは把握できません。


そこで、AIが教材の原案を作り、教育担当者と実務担当者が自社の状況に合わせて確認します。安全、品質、法令、契約に関わる内容は、所管する部門にも確認してもらいます。

AIの役割は、教材を自動的に完成させることだけではありません。人が確認し、改善できる土台を短い時間で用意することにも価値があります。


社内資料から教材を作る全体の流れは、「社内資料を研修教材にする方法。実務で使える教材へ変える8つの手順」で紹介しています。



eラーニングの定着は、導入後の設計で決まる


eラーニングが定着しない会社には、ツールはあるものの必要な教材がない、受講する理由が伝わっていない、担当者の運用負担が大きいという三つのパターンが見られます。

いずれも、社員に学ぶ意欲がないと決めつける前に、会社側で見直せることがあります。


仕事に必要な教材を選び、なぜ学ぶのかを伝え、担当者が続けられる運用を作る。さらに、受講率だけでなく、理解や仕事での変化まで段階的に確認すれば、改善すべき場所が分かります。


eラーニングツールは、教材を届け、学習状況を確認するための大切な基盤です。しかし、導入しただけで学びが定着するわけではありません。自社の知識を学べる形へ整え、必要な人へ届け、反応を見ながら更新する。この循環があって、eラーニングは社員の成長を支える仕組みになります。


当社では、社内資料や現場のノウハウを、社員が理解し、判断や行動に活かせる形へ変え、継続的に使う取り組みを「教育資産化」と呼んでいます。eラーニングを定着させることは、ツールを使い続けてもらうことではなく、社内の知識が仕事の中で活かされ続ける状態を作ることなのです。



自社の教育と知識共有の現在地を確認する


eラーニングを導入したものの、教材制作や運用が続かない。受講率は確認できても、仕事へ活かされているか分からない。そのような課題がある方は、無料の「教育資産化診断」をご利用ください。


約3分で、自社の現在地と、次に考えたいテーマを確認できます。




教育資産化の考え方を詳しく見る


社内資料や現場のノウハウを、社員が理解し、判断や行動に活かせる「教育資産」へ変える考え方を紹介しています。




自社の知識をeラーニング教材へ変えたい方へ


アドップ・コンテキストが開発する「コンテキストAI」は、企業が持つPowerPointやPDFなどの社内資料をもとに、学習コンテンツの作成を支援するサービスです。


資料に含まれる知識の整理から、学習目標、教材構成、説明文、音声ナレーション、確認問題の原案作成までを支援します。教材を作って配信した後は、受講状況や確認テストの結果も確認できます。


どの資料から始め、どのような教材を届け、どう運用を続けるかという段階から、当社へご相談いただけます。

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