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研修教材は内製と外注、どちらがよいか。費用だけで決めない選び方

執筆者の写真: Adop-Context
Adop-Context
1 時間前
読了時間: 11分

自社の業務に合った研修教材を作ろうとすると、次に迷うのが「社内で作るか、外部へ依頼するか」です。


社内で作れば、業務を知る人の経験や言葉を教材へ反映しやすくなります。一方、教材制作を専門とする会社へ依頼すれば、構成、文章、デザイン、動画、ナレーション、確認問題などを、学びやすい形へ整えてもらえます。


ただし、内製は安く、外注は高いと単純に分けられるものではありません。内製にも担当者の時間がかかり、外注にも社内資料の準備や内容確認が必要です。


大切なのは、すべてを社内か社外のどちらかへ寄せることではなく、社内に残す仕事と、外部の力を借りる仕事を分けることです。生成AIを使えば、その間にある原案作成や整理を支援することもできます。


この記事では、研修教材の内製と外注の違い、それぞれに向く場合、判断するための六つの質問、社内・外部・AIの役割分担を紹介します。



内製と外注は、制作場所ではなく役割で考える


研修教材の制作には、さまざまな仕事があります。


誰に何を学んでもらうかを決め、元資料を集め、経験者から話を聞く。学ぶ順番を考え、説明文、図、動画、ナレーション、確認問題を作る。完成した後は、内容を確認して公開し、利用状況を見ながら更新します。


これらを一つの仕事として「内製か外注か」と考えると、選びにくくなります。工程ごとに、誰が担うとよいかを見ていきましょう。


制作工程

社内が担いやすいこと

外部へ依頼しやすいこと

AIが支援できること

目的の設定

業務課題と対象者を決める

目的を具体化する質問を行う

目標案を整理する

知識の収集

資料を選び、経験者をつなぐ

インタビューを設計する

資料の要点を抽出する

教材の設計

自社で必要な判断を示す

学ぶ順番や演習を設計する

構成案を作る

制作

内容の正しさを確認する

文章、図、動画、音声を制作する

原稿や問題の下書きを作る

公開前確認

業務、規程、表現を承認する

誤字や見せ方を確認する

矛盾や不足の候補を示す

更新

変更を見つけ、採用を決める

修正作業を行う

変更箇所と影響範囲を整理する


このように分けると、業務の正しさを決める役割は社内に残し、教材としての組み立てや制作を外部とAIで支援する形が見えてきます。



内製が向いている場合


教材を社内で作る良さは、自社の仕事をよく知る人が、実務に合わせて内容を調整できることです。


商品や制度が頻繁に変わる場合も、社内で修正できれば、変更を早く反映できます。小さな内容を継続的に作る企業や、教育担当者が教材制作の経験を積みたい場合にも、内製が向いています。


次のような条件がそろっているなら、内製を中心に進めやすいでしょう。


  • 教材の目的と対象者を決められる

  • 業務を知る人が、内容確認に参加できる

  • 原稿、スライド、動画などを作る時間がある

  • 教材制作に使える共通の型がある

  • 完成後の更新担当者が決まっている


内製のもう一つの利点は、教材を作る過程で社内の知識が整理されることです。


部署によって手順や言葉が違うと分かる。経験者によって判断の基準が異なると気づく。元資料が古いことが見つかる。こうした発見は、教材制作だけでなく、業務そのものを見直すきっかけになります。


ただし、教材を作ることが担当者の善意や残業に頼っているなら、内製できているとは言いにくい状態です。担当者が異動しても続けられるよう、制作の型、確認する人、更新する時期まで決めておく必要があります。



外注が向いている場合


外部へ依頼する良さは、社内にない専門性と制作体制を利用できることです。


たとえば、一時間の集合研修をeラーニングへ作り替えるには、スライドのデザインだけでなく、一人で学べる構成、ナレーション、問い、確認問題まで考える必要があります。動画撮影やアニメーション、多言語対応など、制作技術が必要な場合もあります。


次のような場合は、外注を検討する意味があります。


  • 公開時期が決まっており、社内だけでは間に合わない

  • 教材の構成や学習設計を相談したい

  • 動画、アニメーション、ナレーションなどの制作が必要

  • 複数の教材を、同じ品質とデザインでそろえたい

  • 社内の担当者には、内容確認へ集中してもらいたい

  • 一度ひな型を作り、その後は社内で更新したい


外注すれば、社内が何もしなくても完成するわけではありません。


外部の制作会社は、自社の業務を最初から知っているわけではないからです。元資料の提供、関係者への聞き取り、内容の確認、社内での承認は必要になります。


外注の成果を高めるには、「この資料を動画にしてください」だけで依頼するのではなく、誰が、どの場面で使い、何ができるようになればよいかを共有します。制作会社が業務の文脈を理解できるほど、見た目を整えるだけではない教材を作りやすくなります。



内製だけで進めると、どこで止まりやすいか


内製で起きやすいのは、教材制作が通常業務の後回しになることです。


業務を詳しく知る人ほど、日々の仕事でも頼られています。研修資料を作り始めても、顧客対応や会議が入れば中断し、完成まで長い時間がかかることがあります。


また、内容の正しさを重視するあまり、多くの情報を一枚のスライドへ入れてしまうこともあります。作った本人には分かっても、初めて学ぶ人には前提知識が足りず、どこが重要なのか分かりにくくなるかもしれません。


別の課題は、担当者ごとに作り方が変わることです。文字の量、図の使い方、確認問題の難しさがそろわず、教材全体として学びにくくなる場合があります。


こうしたときは、すべてを外注する前に、次の部分だけ外部の支援を受ける方法があります。


  • 最初の教材で、共通のひな型を作る

  • 学習目標と構成だけを一緒に設計する

  • 社内で作った原稿を、学習者の視点から見直してもらう

  • 動画や音声など、専門的な制作だけを依頼する

  • 複数教材の品質確認を依頼する


社内に業務知識を残しながら、苦手な工程だけを補う形です。



外注だけに任せると、どこでずれやすいか


外部の制作会社が、見やすく整った教材を作っても、自社の実務に合わないことがあります。


その原因は、制作力の不足とは限りません。資料に書かれていない判断基準や、部門ごとの役割、過去の失敗から生まれた注意点が、外部へ共有されていない場合があるからです。


たとえば、業務マニュアルに「例外は上長へ確認」と書かれていても、何を例外と考えるのか、どの時点で止めるのか、緊急時は誰へ連絡するのかまでは分かりません。外部は、渡された資料の範囲で作るため、内容が正しくても実務の判断までは扱えない教材になることがあります。


外注するときは、完成品だけを受け取るのではなく、途中で内容を確認します。

最初に学習目標と構成を確認し、次に原稿や絵コンテを確認する。完成前に試作品を学習者へ見てもらい、分かりにくい点を直す。このように段階を分ければ、最後に大きく作り直すことを減らせます。


誰が内容の正しさを判断するかも、依頼前に決めておきましょう。外部は教材の専門家になれても、自社の業務を承認する人にはなれません。



費用は、見積金額と社内工数を合わせて考える


内製と外注を比較するとき、最初に目に入るのは外注の見積金額です。内製には請求書が届かないため、安く見えます。


しかし、担当者が資料を集め、原稿を作り、スライドを整え、関係者へ確認し、修正する時間にも費用はかかっています。制作が長引く間、担当者が本来の業務へ使えない時間も生まれます。


反対に、外注でも、社内の作業がなくなるわけではありません。資料の整理、打ち合わせ、内容確認、承認、公開後の運用には、社内の時間が必要です。


費用を比べるときは、次の四つを一緒に見ます。


見る費用

確認すること

制作費

外注費、ツール費、撮影やナレーションの費用

社内工数

資料準備、原稿、確認、修正、進行管理に使う時間

機会の損失

教材が完成するまで説明やミスが続く負担

継続費

更新、再制作、システム利用、保守にかかる費用


教材一本の価格だけでなく、必要な時期までに完成し、実際に使われ、更新できるところまで含めて考えます。



六つの質問で、内製か外注かを判断する


研修教材をどのように作るか迷ったら、次の六つを確認します。


1.社内に、内容を判断できる人がいるか


内製でも外注でも、内容の正しさを判断する人は必要です。業務、規程、商品、安全、品質など、教材のテーマに応じた確認者を決めます。


2.教材制作へ使える時間はあるか


「空いた時間に作る」という計画は、日常業務が忙しくなると止まりやすくなります。担当者と制作時間を具体的に確保できるかを確認します。


3.必要な制作技術は何か


文章と簡単なスライドで十分なのか、動画撮影、アニメーション、多言語、音声などが必要なのかによって、社内で対応できる範囲が変わります。


4.いつまでに、何本必要か


少数の教材をゆっくり改善できるのか、制度変更や全社展開に合わせて複数の教材を作るのか。期限と量を明確にすると、必要な体制が見えます。


5.どのくらいの頻度で更新するか


頻繁に変わる内容なら、社内で小さく直せる仕組みが必要です。外注する場合も、編集できる元データや更新方法を確認します。


6.社内に残したい力は何か


今後も教材を作り続けるなら、最初の制作を外部と一緒に進め、設計方法やひな型を社内へ残す方法があります。制作物だけでなく、作り方を学ぶことも外注の目的にできます。

六つの答えを並べると、内製、外注、共同制作のどれが合うか判断しやすくなります。



現実的なのは、社内・外部・AIの共同制作


教材制作は、内製と外注の二択ではありません。社内、外部、AIが、それぞれ得意な仕事を担う方法があります。


社内は、教育で解決したい業務課題を決め、元資料と実務の知識を提供します。教材に含める判断基準を決め、完成前に内容を確認します。


外部の専門家は、学習目標を具体化し、説明、事例、演習、確認問題を学びやすい順番へ組み立てます。必要に応じて、デザイン、動画、音声などの制作も行います。


AIは、社内資料から要点を抽出し、構成、説明文、ナレーション、確認問題の下書きを作ります。複数資料の共通点や違いを整理し、更新候補を見つけることにも活用できます。

担い手

主な役割

社内

目的、業務知識、判断基準、承認

外部

教育設計、制作技術、進行、品質の統一

AI

抽出、整理、原案、展開、更新候補の提示


AIを使えば外部が不要になり、外注すれば社内が関わらなくてよい、という関係ではありません。三者が役割を分けることで、制作の速さ、自社への適合、教材としての分かりやすさをそろえやすくなります。



外注先を選ぶときに確認したいこと


外部へ依頼する場合は、完成した教材の見た目だけでなく、制作の進め方を確認します。


最初に、誰が学び、何ができるようになる教材かを聞いてくれるか。渡した資料をそのまま整えるのではなく、不足している説明や判断基準を見つけてくれるか。公開前に、社内の確認をどの段階で行えるか。完成後の更新方法や元データの扱いはどうなるか。


確認したい主な項目は、次のとおりです。


  • 学習目標と対象者から設計してくれるか

  • 社内資料や経験者への聞き取りに対応できるか

  • 原稿、構成、試作品を途中で確認できるか

  • 修正回数と、追加費用が発生する条件は何か

  • 完成後に社内で更新できるか

  • 元データ、著作権、利用範囲はどうなるか

  • 機密情報や個人情報を、どのように扱うか


価格だけでは見えない部分ですが、教材を長く使えるかどうかに関わります。



最初の一教材で、作り方まで決める


内製か外注かを決めるために、すべての教材を棚卸しする必要はありません。

まずは、新しい人へ繰り返し説明している業務、特定の人へ質問が集まっている内容、対応の違いが品質へ影響する場面から、一つ選びます。


その教材で、社内が用意する資料、外部へ依頼する工程、AIで支援する作業、内容を確認する人、更新する人を決めます。制作後には、かかった時間、学習者の反応、修正のしやすさを振り返ります。


一つの教材を試すと、自社が内製できる範囲と、外部の力を借りた方がよい範囲が具体的に見えてきます。そこで作ったひな型や役割分担は、次の教材にも使えます。


研修教材の内製と外注を選ぶ目的は、制作方法を固定することではありません。社員が必要な知識を学び、仕事で使え、内容が変わったら直せる状態をつくることです。


業務の正しさは社内で守り、制作の専門性は外部から取り入れ、繰り返す作業はAIで支援する。この組み合わせによって、自社の知識を、学び続けられる教育資産へ変えていけます。



自社に合う教材制作の進め方を確認する


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教材制作とAI活用について相談する


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